2024年11月15日(金)セルリアンタワー東急ホテル39F「ルナール」において、2024年度クリエイティブ・シティ・カウンシルを開催致しました。
テーマは「東急型TOD モデルによるまちづくり推進の課題」。前半は、(株)商い創造研究所代表取締役 / (株)賑わい創研代表取締役社長 松本 大地氏によるキーノートスピーチ、後半はご出席者の皆様によるフリーディスカッションを行いました。
【開催概要】
日時 | 2024年11月15日(金) 14:30~17:00 |
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会 場 | セルリアンタワー東急ホテル 39 階「ルナール」 |
テーマ | 東急型TOD モデルによるまちづくり推進の課題 〜循環再投資によるまちのバリューアップ実現〜 |
プログラム |
14:30 課題提起 14:40 基調講演 15:15 フリーディスカッション 16:45 ディスカッション終了〜まとめ 17:00 閉会 |
ご出席者 |
■ ゲスト
■ ファシリテーター |
※肩書は開催当時のものです。
課題提起
「東急型TOD」の目指すべき方向性と課題
東急株式会社 常務執行役員 都市開発本部 副本部長
東浦 亮典

東急はTODによって事業を構築してきた
皆さん、こんにちは。東急の東浦です。基調講演の前座ということで、課題提起として「TOD」についてお話させていただきます。TODは、公共交通政策とまちづくりを一体的に行なう都市開発や沿線開発「Transit-OrientedDevelopment」のことです。まだそれほど聞き慣れない言葉かもしれません。
弊社社長に堀江が就任して以降、東急がこれから目指すべき方向の一つとして「東急型TOD」を掲げております。このTODに対する考え方は非常に幅が広く、理解も人によってさまざまです。本日は、その中の一つの考え方ということでお話をさせていただきたいと思います。
東急は創業102年目に入りました。古くは渋沢栄一、五島慶太が会社の礎をつくり、洗足や田園調布のまちづくりを行なってきたわけですが、最初から計画的に郊外住宅地と公共交通をセットにして考えていました。当時TODという言葉はありませんでしたが、我々のオリジンはTODによって事業を構築したと考えてよいかと思います。
TODの利点とは?
東急沿線の居住人口ピークをTODによってさらに伸ばしていく
先ほど申し上げたとおり、東急は以前よりTOD的な都市開発をやってきました。渋谷もそういうまちづくりをやっていますし、少し郊外へ行けば、二子玉川、たまプラーザ、南町田といったところは、駅を中心にTOD的な開発がされています。これから計画されている再開発予定地の中にも、こういった観点でまちづくりができそうな場所を候補地として挙げております。
ただし、日本では、TODやウォーカブル・シティづくりが遅々として進まないのが現状です。中国のように、まったく新しいところを都市開発していくわけではなく、既成市街地を再整備するため、インフラ整備のコストが非常にかかるのです。社会が自動車に依存しているところもまだあります。行政についても、首長が変わるたびに行政計画が変わったり、健全なエリアマネジメント団体が、特に郊外部においては育っていないというのも課題です。
東急型TODを推進していく上での今後の課題

最後に、基調講演の後のフリーディスカッションで、こんなテーマでご議論いただくといいのではないかということで、課題を列挙させていただきました。
渋谷も大きな影響を受けていますが、駅周辺の土地代が高騰していま す。特に頭が痛いのは工事費の急騰です。これによって工事が長期化し、金利も先高観がある。郊外部へ目を転じると、テナント候補企業が足りないという問題もあります。市場からは、効率経営や投資利回りという要求がされ続け、上場企業としては、その呪縛があります。モビリティについては、お客さまにとって使いやすいモビリティ連携ができているのかというと、今のところいい形で動いているMaaS(Mobility as a Service)は日本国内にはないように思います。また、東急グループに関しても、顧客利便性を優先した生活サービス連携が課題となっています。そして中長期的な課題として、City as a Serviceの世界観をどのように構築していくのか。こうしたことについて、今日の議論の中で触れていただけるとありがたいと思います。
Key Note
街づくり ✕ 商業
〜新たな都市街づくりの可能性〜
株式会社商い創造研究所 代表取締役
株式会社賑わい創研 代表取締役社長
松本大地氏

街づくりを先に考えた商業には新たな価値創造ができる
2024年6月に学芸出版社から『街づくり×商業』を出版させていただきました。長年「商業×街づくり」で商業施設開発や地域活性化に取り組んできたものの、コロナ前後から、それはどうも違うのではないかと感じ始めました。商業が先ではなく、先に街づくりのことを考えて、それから商業のことを考える「街づくり×商業」であるべきではないか。そう思うようになると、新しい世界が見え始めました。この本は、その4年ほどの経験をまとめた書籍です。街づくりを先に考えた商業によって新たな価値創造ができる際のキーワードは、「多様性」と「世界観」だと思っています。
私が、最近リニューアルした施設の中で秀逸だと思っているのは、恵比寿ガーデンプレイスです。今までのガーデンプレイスは、恵比寿や目黒といった周辺地域のライフスタイルを変えるまでには至っていなかった。しかし三越の撤退を契機に「ライフクリエイターズ・リビング」という思いきったコンセプトを掲げました。スーパーマーケットのライフは、最上級の新業態「セントラルスクエア」をつくり、ツタヤブックストア、DIY、アウトドアファッション、カフェ、ベーカリー、生活雑貨、生花店などさまざまな生活感度を上げるショップが並ぶライフスタイル提案型施設になりました。施設に入った瞬間に「BLUE NOTE PLACE」から音楽が聞こえ、ペットを連れた人もいればカフェで寛ぐ人もいる。これは商業空間の領域を超え、商業空間と公共空間の境界がボーダレスになり「開かれたパブリック空間」が生まれたと感じました。もともとあった広場や商業面積のリソースを、よくこれだけ有効に変えることができたと感心しました。これは、商業施設が街を変えていく一つの好事例だと思います。
こうした取り組みは、小さな街では無理なのではないかと考える方もいると思います。そこで、東京都豊島区の大塚駅の事例をご紹介したいと思います。大塚駅前はパチンコ店や風俗店が目立ち、池袋と巣鴨に挟まれて街のアイデンティティがどこにあるのかよくわからなかったんですね。
ところが2018年、星野リゾートのホテル「OMO5」ができました。実は、ここには別のチェーン系ビジネスホテルが建つ予定でした。しかし、それでは街が変わらないと、地元の不動産会社「山口不動産」が星野リゾートに通って交渉し、「OMO5」を入れたんです。その後、ba01からba07まで、まちの中にさまざまな「ba(場)」をつくっていきました。駅やビルの1階がどんどん変わり、駅前広場まで「ironowahiroba」というアートフルでいい広場になってきた。そこにおにぎり屋の「ぼんご」など、古き良き大塚も混ざり合ってどんどん面白い街になりつつあります。大塚駅前の広場に若い人やカップルがたくさん集まる光景を、誰が想像できたでしょうか?これが小さな地元の不動産会社がたった4年で実現したことなんです。
今日ご参加されている民間都市開発推進機構の渡邉さんは以前豊島区の副区長でした。ご存知のように10年前、豊島区は東京で唯一消滅可能性都市だと言われた自治体です。そこで、中心地である池袋を変えていこうといろいろなことに取り組み、その成果はかなり出ています。特に豊島区に子育て世代人口が増えてきたのはすごいことだと思います。これは南池袋公園の再生がきっかけです。ホームレスの溜まり場だった南池袋公園にはイベントがない日でも、ベビーカーがびっしり並んでいます。
さらに今、池袋周辺の4つの公園を軸にしながら、中心部をどんどん再開発していこうという動きが加速化していて、私もプロジェクトに関わらせていただいております。点で商業をつくるだけではなく、それを線にして、さらに面にしていくことが大切です。それを私は「都市街づくり」と名づけました。この視点がとても重要なのではないかと思います。




(上部)恵比寿ガーデンプレイス (下部)南池袋公園は開かれた街の居場所に
世界の先進事例に見る 「街づくり×アート」の可能性
最後に、問題提起として「街づくり×アート」に新たな価値創造の種があるのではないかということをお話させていただきます。
4つの都市をご紹介します。ニューヨーク、ポートランド、ビルバオ、 メルボルンです。ニューヨークはハイラインができて、ポケットパーク が増えて、まさかこんなにウォーカブルな街になるとは思っていません でした。ポートランドはアートタックスを推奨し、どんどん街なかに アートが広がりました。ビルバオはグッゲンハイム美術館が大きな引き 金となり、疲弊した街をアートで再開発しています。
屋上に古い電車の車両を置いて使っている「イージーズ」というハンバーガーショップにも行きました。とてもユニークです。若い人たちが考えて起業することが街に溢れているってとっても幸せじゃないでしょうか。「レーンウェイアート」が窓から見える「HAZEL」という高級レストランの角の丸テーブルはお気に入りの場所です。世界全国からレーンウェイ巡りをする人たちが増え、郊外ではサイロをアートで表現するなど、アートの力で「都市街づくり」が拡大しています。
都市計画の中にワクワクする要素を入れる
メルボルンでは開放性、刺激性、人間性がある街は、来街者の滞在時間が20分伸び、消費支出も25%伸びるという研究結果が出ています。ですから、その街に滞在するとワクワクし、楽しくなるといった要素を都市計画の中に入れていくことはとても重要だと思います。
私は、ウォーカブル・シティの共通点は「楽しく」「心地よく」「歩きたくなる」という街の魅力がセットになっていることだと思います。街の価値と商業の質がイコールだと言われるようになれば成功です。そういう意味でも、先に街づくりのことを考え、次に商業のあり方を考えていくことが、最大のエリア価値創造につながっていくと信じています。街を一つの事業体と見立て、「街の全体価値を高めていくストーリーづくり」が、都市街づくりを成功裡に導く生命線だと提言させていただきます。
フリーディスカッション
テーマ01 | 郊外
郊外のライフスタイルに目を向ける

でも、そこにただの豆があるだけではダメで、まち(豆)は磁力をもたないといけません。その磁力のポイントは何かというと、「まち愛」と「コミュニティ」です。加えて、今という時代だけに媚びていると持続性がなくなり、ポートランドやサンフランシスコのような状況になってしまうことにも留意しなくてはいけません。
そのためにも、郊外のライフスタイルに目を転じる必要性があるわけです。私は、2023年5月に国交省の中につくられた土地政策研究会で、郊外部のありようについての議論を始めています。この研究会での議論はとても重要で、国交省は、コンパクトシティ政策を急ぐあまり、郊外部の手当を忘れてきたのではないのかという視点から議論を深めています。郊外部にどういう政策を立て、「まち愛」なり「コミュニティ」なりを形成して、エリアマネジメントを成熟させ、磁力の原点にしていくか。ポートランドの場合は、周辺に非常に良い郊外部があったけれども、市街地の評価が高くなってしまったがために、あまりにも市街地のための政策に引っ張られてしまった。こういうことをどうやって避けていくのかが、今後は非常に重要になる気がしています。
松本私は、コロナ災禍前までに約700名の方々をポートランドにお連れしました。その中で、日本でもポートランドのような持続可能なまちづくりを推進しようという気運が醸成されてきたと思っています。ですから、コロナ禍におけるポートランドの暴動は、とてもショックでした。ポートランドは非常にリベラルなまちで、民主的な公民連携した地域コミュニティ組織があった。それが、いとも簡単にこうなってしまうのかと愕然としました。
私が聞いた話では、コロナ禍であらゆるまちにホームレスが溢れたそうです。その中で、片道切符で長距離バスに乗せられて、ポートランドに行くと優しくしてもらえるよと言われた方がとても多く、ポートランドは生命にも関わるので、そういう方々を受け入れざるをえませんでした。次第にレストランの前にもテントが張られるようになっていき、その結果レストランは営業できなくなりました。要因は他にもさまざまあると思いますが、村木先生は私以上にポートランド愛もあるし、よく行かれているので、詳しくご存じだと思います。
涌井ですからあらためて、市街地と郊外の関係を、どのように両睨みで整理するかということが、魅力ある地域やウェルビーイングなまちをつくるのではないかと思います。
村木日本でも、コロナ前のパーソントリップ調査を見ると、郊外は朝出かけていって、昼間は人がいなくなり、夜戻ってくるというのが当たり前でした。これが今、3割の人が週2日は家で仕事をするようになって、高齢者だけでなく働く世代も昼間に郊外にいるようになりました。そうなると、郊外部の中心地に求められる機能は昔と変わっているのかもしれず、それがいったい何なのかを考えていくことは、非常に大切な気がしています。


テーマ02 | 海外の事例
海外の事例から今後のまちづくりを考える
あともう一つ、マドリッドのいいところは、子どもたちが室内で過ごせる場所が多いことです。例えばミュージアムの中では、子ども向けの無料イベントがたくさん開催されていますので、子ども連れだと過ごせるところがないということがありません。私も子育てしている時、本当に都心は行くところがないと思っていましたので、こういった施設内の子ども向けプログラムが増えていくことに期待します。
フィッツロイというところは比較的若い人が多いサバーブで、昔のSOHOみたいなところでした。家賃が安くて、ボヘミアン調のまちですけれども、古い建物をうまくリノベーションして、起業した若い人がそこに住んでいる。そのまちは、ショップにしてもバーにしてもカフェにしても、個性があって面白く、一緒にメルボルンに行った商業施設の関係者が「こんなに面白かったら、ショッピングセンターは敵わないな」と言っていました。本当にそうだと思います。
テーマ03 | イノベーション
消費の場所から知をつくる場所へ
紺野そう。まちが消費の場所というよりは知をつくる場所になっています。まちづくりからイノベーションが起こる。消費だけの場所だと、消費活動が終わるとともにホームレスが見えるようになる。機能の違いでギャップが生まれてくるのではないかと思いました。
また、以前UR(UR都市機構)さんから、新虎地域(新橋~虎ノ門)にたくさんある取り壊し予定の小型の雑居ビルを使って、立ち上がり間もないベンチャーのインキュベーションなどに活用できないかとお声がけいただいたことがあります。そこで、1、2階に自分たちの飲食店を入れて、3~5階にベンチャーが集まる秘密基地のようなものをつくってみたところ、そこに集まったベンチャーが、その後どんどん成長していった。それならこれをもう少し大がかりにしていこうということで、最近連携協定を締結し本格的に取り組み始めたところです。
URさんとは、フードテックをテーマとしたまちなかショーケースの実現など、人を集めるデザインについても検討しています。旗を振って集めるケースはうまくいっていない事例も多いですが、やり方次第でデザインできるのではないか。そういうときに重要になるのは、ウォーカブルや物理性だと思っています。
テーマ04 | 場づくり
ハードとソフトを組み合わせることでまちの個性がつくられる
渡邉さきほど南池袋公園の話がありましたが、あれは緑の全面芝生やカフェをつくり、居場所をつくった事例です。もちろんそういうハード面での良さが、人々を惹きつけているのは事実ですが、実はそれだけではありません。
あそこを仕掛けるときに地域の方々がつくった「としま会議」という会議がありました。民間でコワーキングスペースをつくった人が始めたもので、月1回、地域で何かやっている方を5人ぐらい集めてショートプレゼンをしてもらい、交流会をやるという会でした。それを月1回、2年間やっていると、100人くらいの豊島区の関係者が集まり、それまで自分ひとりが頑張っていると思っていた人たちが、としま会議を通じて地域で頑張っているほかの人たちに出会い、徐々にエコシステムができていきました。
その2年間の継続ののちに南池袋公園という場ができたとき、ここを使って豊島区の将来の姿を示してみようじゃないかと、それぞれが自分のやりたいことを公園で展開していきました。それが動画で流れて、人気が高まっていった。あの場はまさに、ハードとソフトの組み合わせによって生まれたのではないかと思います。
こういったことに取り組むときには、行政との関係値をどうとっていくかが非常に重要です。多摩田園都市は川崎市、横浜市、町田市、大和市という、4行政に跨っています。それぞれの自治体の考え方もありますし、自分の自治体の境界を越えるとそこから先に何があるかはまったく知らないのが実情です。しかしこれからは、周辺部がどこの自治体だろうと関係なく一緒に考えていくことが必要で、そこは企業としても、しっかりつないでいかなくてはなりません。
かつての沿線開発は、渋谷あるいは都心という中心地があって、そのためのベッドタウンをつくっていました。いわば、とにかく人が住んで都心に通えればいいというまちづくりであったかと思います。そこにはある意味、人格がなかったような気もします。しかしその後、都心と反対方向の鉄道輸送を増やすために学校を誘致するなど、その受け皿としてのまちづくりに変わっていきました。
その後2000年初頭には、まちにいろいろな機能を集約する「多機能型都市」が注目され、それから十数年経って、現在ではそれぞれの地域が特色をもち、まちとして完結できる「自律分散型都市」を目指しています。これがこの先どうなっていくかはまだ見えない部分がありますが、まちの個性をどうつくっていくか、そこに住んでいる人たちや利用する人たちがどういうことを志向しているのかを、しっかりと考えていかなければいけないと思っています。
私どもは、TODという言葉がない頃からTODをやってきたという自負があります。その中身やそれぞれのまちの個性をあらためて考え、それらを組み合わせることでより大きなまちづくりをしていけたらと思います。
涌井私は2027年の「GREEN×EXPO2027」のチェアパーソンでもありますが、残すべきレガシーについての議論を始めています。その中で驚いた事実があります。横浜市には2704の都市公園があるのですが、92%が未だに地域住民によって支えられている(公園愛護会)ということ、これはエリアマネジメントを考えていく上で非常に重要な事実だと思っています。
また、議論の中で「“共”の再構築」ということを言っています。「公・共・私」があったところを、戦後は「公・共」だけにしてしまったために、「私」と「公」「共」がお互いに相互補助しながらコミュニティを熟成していこうという気風がなくなってしまいました。「共」が抜け落ちてしまった結果、ある面では財政負担にもなっている。そこであらためて、「GREEN×EXPO2027」では「共」を取り戻すことも開催目的の一つにしようと考えています。
「地球環“共”市民」がこの博覧会に総参加する。環境ではなく環共です。つまり地域でちゃんとやらなければ地球も良くならないことを伝えたいんですね。これから非常に重要なことは、そういったコミュニティをしっかりつくり、人類共通の話題を共有していくところからスタートすることだと思います。
もう一つは人の流れの設計です。これは、防災面でも非常に大事なことだと思います。人の流れが把握できるまちづくりを行なって、それをさらにまちの設計にも生かしていく。今は誰がどこで何をして、その次に何をしているかがわかるスマホのデータが使えます。以前よりもずっと流れの設計はしやすいのではないかと思います。
テーマ05 | 東急沿線の未来
今後のまちづくりに期待すること
川端ライドシェアのお話が出てきましたが、実は実証試験を通じて、仲の良いコミュニティほどライドシェアの利用率が高いことが見えています。仲が良いというのは情報共有ができているということではないでしょうか。もし、東急沿線でもモビリティによるまちの活性化の事例があれば教えていただけますか。
東急は年間約3.5億kW使っているわけですが、それぐらいでしたら脱炭素は簡単です。これは、今日の議論とも無関係ではありません。
例えば、郊外のまとまった土地の一部で太陽電池を設置した農業を行ない、残りの一部に建物や駐車場を設置した場合、売電収入が得られるだけでなく、全電力の再エネ供給が可能となり、食料もでき、近隣の小中学校での探究学習の教材としての活用も見込まれる。このように何をやるにしても未来が見える取り組みが重要だと思います。
その点は大変心配していますが、ある意味でどうやっても逃げられないインフラ企業だからこそのことですから、しっかり頑張っていただきたい。東急は、その中においてもDNAとして長期的にまちづくりをやっていこうという考えをもっている稀有な会社です。ぜひ良い先例を見せていただきたいと思います。
堀江本日はありがとうございました。たくさんのサジェスチョンといろいろなアイデアをいただきました。私どもは地域にコミットする、足を持ったデベロッパーです。この足をうまく使いながら、長期視点に立ち、複数の行政区を跨りながら、これからも良い仕事を進めていきたいと思います。
