2014年12月6日(土)、渋谷ヒカリエにて、クリエイティブ・シティ・コンソーシアム主催「Creative City Summit 2014 〜アイデアからビジネスへ〜」が開催されました。
会場の様子
まず、総合司会の福満景子氏(元NHKアナウンサー)の案内からサミットが開会しました。
<主催者プレゼンテーション>
松島克守氏(クリエイティブ・シティ・コンソーシアム副会長)
「二子玉川で起きているイノベーション」
このコンソーシアムは、二子玉川にクリエイティブ・シティを実現しよう、クリエイティビティが日本の基本的な成長戦略だということで始めました。
4年後の現在、クリエイトな人が集まり、クリエイティブな仕事をする場がこの二子玉川に出てきた実感を持つに至りました。
「クリエイティブ・クラスが集積する都市が成長を推進する」が根本です。どうしたらこのクリエイティブ・クラスが集められるかということは大きな課題です。
このクリエイティブ・クラス、まだ耳慣れない言葉ですが、科学者、アーティスト、プロダクト、非常に斬新なアイデアがあっても1人ではできません。一緒にやろうというクリエイティブプロフェッショナルがいて、クリエイティブ・クラスという構成があります。この人たちが価値を新しくつくるのです。
「グッドライフ」があります。いい生活ができると、クリエイティブな人が集まってきます。そのクリエイティブな人たちが融合すると、新しいビジネスが生まれ、それが成長につながる。こういったモデルが日本でもできるのではないか。
このクリエイティブ・クラス、ここにかなり密度濃くいます。渋谷、自由が丘、二子玉川、ここを私どもは「プラチナトライアングル」と呼んでいます。このエリアにはクリエイティブ・クラスと言われる職業の方が非常に多く、3分の1の方が大学、もしくは大学院卒と教育レベルが高く、1000万円以上の高所得者の居住が全国平均の2.5倍です。
さらに、少子化といわれる中、このエリアでは実に14歳以下の人口の増加率が10%です。本当にここには日本の未来が育っているのです。ですから、私どもは子どもにフォーカスして活動しています。
なぜ二子玉川なのか。非常に質が高い住環境、文化的にも華やいでいる場所です。また、非常にイノベーションを起こすポテンシャルがある。水と緑に恵まれた東京でも数少ない素晴らしいところに、クリエイティブな人が集まる場所をつくれるかどうか実験してみようというのが、このコンソーシアムの実験です。
この4年間、ワーキンググループ、プロジェクト等、さまざまな活動を行ってきました。
フューチャーワーク。これは近未来のワークスタイルです。
位置情報。ビルの中でも使えるGPS。二子玉川にある商業施設には、これが全部実験的に実装してあります。
キッズワーキング。今の小学生は20年たてば日本のGDPを支える人です。子どもはまさに近未来なのです。子どもの教育、子どもとコミュニティ、これは非常に重要なテーマでこれを進めています。
このコンソーシアムは、地域、自治体とも非常に密に連携をとっています。ですから、このようなイベントがあると区長も来られ、率先して近未来をデモンストレーションしてくれるわけです。
ここには多摩川がある、国分寺崖線がある、豊かな自然です。二子玉川に人が集まって来て、自然が台無しになってはいけません。自然豊かなまま、経済活動を活発にしていって人が集まってくる。そういう都市の在り方の議論も行っています。
J-Creators。才能とビジネスのマッチングです。適材適所ではなくてマッチング。これを、サイトをつくってやろうということです。
デジタルシティ勉強会。2015年4月に楽天さんのオフィスが移転してきます。1万人のデジタルパーソンが来るわけです。これで街が変わるのではないでしょうか。
まだまだいろいろあります。何が起こるか分からないですが、もしかしたら、これは世界初めての実験ができるかもしれません。
2010年、カタリストBAを二子玉川の8階につくりました。これは非常に近未来的な空間です。ここではたえずイベントが開催され、回りではクリエイティブな人たちがミーティングをしたり、仕事をしたりしています。
この4年間で、約6千人がこのカタリストBAへ来て、いろいろな活動をしています。おかげさまで会員数も126まで増えました。いかにアクティブにこのコンソーシアムが動いているかということが分かると思います。
この街のにぎわいを見てください。二子玉川の乗降数は30%も増えています。1日13万人。確実にこの町が今、成長している、活性化しているということは言えるでしょう。この街、ご興味があれば、ぜひいらしてください。まだまだこれから、さらなるイノベーション、さらなる高み、さらなる広がりを目指して活動を続けてまいります。もしまだ会員になっていない方はご参加いただければ、たぶん人生、変わるのではないでしょうか。
<プレゼンテーション&トーク>
NPO法人CANVAS理事長/株式会社デジタルえほん代表取締役の石戸奈々子氏にご登場いただき、プレゼンテーション&トークショーのナビゲーターを務めていただきました。
クリエイティブ・シティ・コンソーシアムとは、日本が抱える多種多様な課題を、想像力豊かな人たちが活躍する場を提供することで、都市で解決するということが趣旨かと思います。
その課題の中で、教育分野の課題解決にこれまで取り組んできました。
工業社会から情報社会、知識社会へ変貌する中、これからを生きる子どもたちに必要な力は想像力、クリエイティビティとコミュニケーション力であると考えています。これからの教育の在り方を産官学連携で、実践を通じて考え、変えていく。そういう取り組みを行い、子どもたちへのOpportunityの提供を行ってきました。
このクリエイティブ・シティ・コンソーシアムでは「アイデアとビジネスをつなげる機会の仕組み」と定義して、5つの大事な要素があるとうたっています。
変革、環境循環社会、技術の広がり、次世代、投資・資金調達ですが、今回はそのうち変革、次世代、投資・資金調達の3つに焦点を当て、その3つの観点からお話をいただき、進めてまいりたいと思います。
<プレゼンテーション>
西口尚宏氏(社団法人 Japan Innovation Network 専務理事)
「大企業でもイノベーションは興せる!」
大企業からイノベーションを継続的に興すための加速支援という仕事をしています。
イノベーション=ベンチャーと思われがちですが、私たちが大企業に特化しているのは理由があります。
ベンチャー企業はどんどん興る。ベンチャーと大企業が連携をする。大企業からイノベーションを興し続ける。この3つが継続的に循環し、やっと日本は元気になっていく。どれひとつ欠けてもいけない。今、一番課題になっているのは、大企業の中からイノベーションが興るということです。
どのくらい難しいか、症状として18の典型的なパターンがあります。
私たちは計画をつくり、効率的に無駄なく実行することに邁進してきました。しかし、ここからはイノベーションは興りません。
イノベーションの定義は、技術の話からインサイト、価値、美点に変化しています。イノベーションだけではなく、そこにはインサイトが必要です。
イノベーションとマーケティングとソーシャル、一見違うように見えるものが、今、どんどん融合しています。
アイデアを発想する教育と事業化を進める教育は、連携し融合が始まっています。一部では高等教育は完全に無料化となり、世界中に新しい知識を持った人が増えています。
世界中にイノベーションのクラスター、ハブが生まれています。ホワイトハウスのそばには強大なインキュベーションセンターがあり、イノベーターたちが集まって議論しています。シカゴ、イスラエルにもあります。世界中でまさにイノベーションが同時多発的に起こっているのです。
価値起点イノベーションという発想は、ほぼデファクト化し始めています。ものすごい勢いで世界が動いている中、私たちは早く変らなければいけないのです。
私たちは経済産業省の研究会で研究し、実現部隊としてジャパン・イノベーション・ネットワーク(JIN)をつくり、約1年半、複数の企業と活動してきました。
どの会社にも、前例主義、現状維持だけに価値をおく「えせ正義の味方」がいます。無意識に悪気なく試行錯誤を繰り返すイノベーターの足を引っ張る人がいるため、イノベーターを支えるためにはエコシステムが必要です。
このエコシステム、まずはしっかりした経営基盤が必要です。ただ、そこからイノベーションは生まれないので、さらにもう一段、二階建ての経営を行います。一階が計画の実行軸、二階は探索と実験の軸となります。
企業規模を問わず、どんな会社にもイノベーターは必ずいます。それを支援する「加速支援者」が必要になり、それを支える組織のインフラやプロセスがあります。
イノベーションには、課題発見、コンセプト化、事業モデル化、事業プランを策定しファイナンスを付けるというプロセスがあり、後半は日本のビジネスマン教育等で教えます。
問題は前半です。前半の能力は、白い紙に自分でグランドデザインを書く力です。後半は出来上がっているデッサンの修正等で、前半が弱いと後半の強さは活きません。
二階建てで何をするか、まさに前半です。探索と実験を繰り返さない限り、何もできません。試行錯誤の構造が必要で、これは経営層がしっかりと守らなければなりません。
日本のオープンイノベーションがうまくいかない理由は、一階同士の付き合いだからです。
二階同士が横につながり、さまざまな探索と実験を一緒にやり始めれば大きな変化が起こり、それが日本流のイノベーション社会エコシステムとなります。これが私たちの考えている世界観です。
このエコシステムを具現化した羅針盤を開発しました。イノベーションを興すために、組織として事業化を加速するプロセスを明確に持った上で、それを支える教育、外部の活用を行います。
そのために規制緩和の概念が必要になります。どこの規制を緩和するのかという判断が必要で、それはトップしかできません。
日本がもっと元気になるには、北海道から沖縄までイノベーションが起こり続ける国、JINではイノベーションネーションと呼んでいますが、変革するために各組織が自社からイノベーションを起こすような組織経営、企業経営をやり、二階建て経営を私たちと一緒に実現していきませんか。
仁禮彩香氏(株式会社GLOPATH CEO)
「高校生CEO~世界が舞台~」
高校2年生で株式会社GLOPATHのCEOをしています。
設立時のメンバー3人は全員湘南インターナショナルスクールの卒業生です。この学校は常に子どもたちが中心で、子どもたちが自分たちの力で問題解決をするスキル、自分たちの力で新しいものをクリエイトするスキルを常に学びました。
ビジネスとは何だろうと疑問に思ったとき、分からないのなら会社をつくればいいという発想からGLOPATHが始まりました。
子どもは、これから大人になり、次の社会を進めていくリーダーとして活動していく、未来そのものであると考えます。子どもたちは、やりたいこと、アイデア、考えることは豊富にあるが、それをどうやって形にしたらいいか分からない。
それを形にするためのチャンスを提供できる場をつくりたいという思いが、GLOPATHの出発点です。
会社の一番大きなルールは「子供による子供のための会社」。ですから、二十歳になったら私たちはこの会社を退職します。今は湘南インターナショナルスクールの後輩たちが、一緒に経営会議をしています。
私たちがやっている事業は3つ、子どものアイデアを実現する事業、子どもが未来志向の学校をつくる事業、子どもが頑張る大人を応援する事業で、すべての起点は子どもです。
私たちのビジネスモデルは、子どもと大人をコラボレーションさせることにより、新しい事業、プロジェクトを作りだすことです。
そのプロジェクトを私たちが発信し、発信されたプロジェクトに自ら参画したいという「主」の心を持った人たちが、大人、子ども関係なく共感型のコミュニティをつくる。これが私たちの基本です。
この共感型コミュニティは、自ら参画する人々が新たな市場をつくります。自らの意思なので、どんどん拡大します。単純だけれど、見逃していることだと思います。
先ほど挙げた3つの事業では、様々な事業を展開しています。子どもが未来志向の学校をつくる事業では、湘南インターナショナルスクールを、私たちの会社がM&Aをして、私たちの会社で動かしています。
PIFというフォーラムを主催しています。ここでは減災・防災を広めるにはどうしたらいいかという議論から、減災を減災産業としてとらえ、これを古屋大臣に政策提言で提出しました。
減災産業振興会という団体を立ち上げ、来年の3月、国連世界防災会議に参加して世界防災ジュニア会議を実施します。
中高生でもイノベーションは興せます。新しい市場はつくれます。ネットワークを広げる力もあり、一緒にやる仲間は発信すればちゃんと来てくれることがよく分かりました。
何より一番大事なことは、私たちはいつも楽しいからやっています。一緒にコラボしている大人も楽しそうで、こうしてコミュニティが形成されることが分かりました。
何かやりたいと思っている人は、きっかけがあれば始めます。そのきっかけづくりが大切です。できているものを提供するのではなく、これから一緒につくるという不完全な状態が大切です。心の優先順位と価値観、価値観を大切にする中で「客」の心ではなく、自分がやりたいからやるという「主」の心で世の中を見つめていけば、少し好奇心の感度を上げるだけで、新しいものが生み出せるのではないかと思います。
笹本 裕氏(Twitter Japan 株式会社 代表取締役/株式会社WESYM 取締役会長)
「クラウドファンディング×ソーシャルメディア×事業創造」
本日は、資金調達の話としてクラウドファンディングをご紹介します。
クラウドファンディングはまだ課題もあり、その課題をソーシャルメディアと組み合せた形で解決できないかと考えています。
アメリカではキックスターターやインディゴーゴーという、大規模のクラウドファンディングサイトがありますが、日本では黎明期だと思います。
ある企業では、研究開発後、最終的に市場に商品が出るのは1%で、99%は具現化されません。この99%に可能性があり、クラウドファンディングがお役に立つのではないかと考えています。
クラウドファンディングの原型はリアルなマーケットで、アイデアを自分たちでつくり販売する場がありますが、その場限りです。これをインターネットに乗せれば、世界中からそのアイデアに対して応援がくるし、実際の購買も可能です。これがクラウドファンディングのインターネットにおける役割だと思います。
キックスターターは、5年で年間142億を調達できるほどのプラットフォームになりました。プロジェクト数も7万件を超え、数々のアイデアをプレゼンテーションし、資金を集め、商品を具現化しています。
日本でもWESYMが開始して3年、支援者と一体感のあるプロジェクトが多数生まれました。ひとつのプロジェクトで数百万集まるものも増えましたし、まさに共感のマーケットプレイスになりつつあります。
クラウドファンディングには課題が3つあります。
1つ目は、身近な仲間の範囲を超える支援者へのリーチ。
2つ目は、同じ趣味趣向の人たちが見つけられない。
3つ目は、プロジェクトのプレゼンテーションが苦手。
ツイッターは人の興味や関心の集合体であり、それがどんどん拡散、伝播するメディアです。ワールドカップでは非常に多くのツイートがあり、ゴールした瞬間にツイートは一気に増え、瞬時に伝播しました。オスカーでの自我撮りもニュースになりましたが、これは最初にツイッターで紹介され、インターネットから新聞等、非常に多く拡散しました。まさに伝播力です。
これはクラウドファンディングも同じです。あるプロジェクトの資金収集の推移ですが、最初は仲間内から、さらに仲間の外へ伝わることができると、目標達成、またそれ以上の資金が集まることが分かっています。
ツイッターとWESYMとで何ができるか。いろいろ研究し、これを商品にしていこうと考えています。ツイッターの仕組みをうまく活用して、クラウドファンディングのプロジェクトをソーシャルメディアをとおして拡大し、より多くの資金調達をしようと思っています。
WESYMでは埋もれた99%に可能性があると考えています。また、拡散していくためにツイッターと連携し、決済の際にはクレジットカードだけではなく、ポイントが使えるサイトをつくろうと考えています。
さらにグローバル展開するために、ここもツイッターをうまく活用しながら、多言語にしてより多くの国々にこの仕組みを提供していこうと考えています。
ビル・ゲイツの言葉です。「1万時間同じ情熱を費やすと必ずそれは成功する」1万時間を計算すると約3年。アイデアをつくってそれを少しずつ育て、3年たつと開花する。そんな事業ができるのではなでしょうか。ぜひクラウドファンディングを皆さまの事業の中でもご活用いただければと思います。
<トークセッション>
皆様のプレゼンテーションを受けて、4人でのトークセッションが行われました。
石戸:本日の3つの議論を踏まえて、オポチュニティを確保するとき、現状では何が不足しているか、皆さんのご意見を伺います。西口さん、いかがでしょう。
西口:オポチュニティは無限にあります。オポチュニティというのは書いてあるわけではないので、本人が気付くかどうか。それを実現するための工夫をひたすらやるかどうかです。大企業では、探索と実験を繰り返すプロセスを組織が認めているかどうかが、オポチュニティを実現できるかどうかに直結すると思います。
石戸:仁禮さんは、今の子どもたちの状況を見ていていかがですか。
仁禮:オポチュニティはみんな平等にあるはずですが、そのオポチュニティを実際に進めるには、たくさんの回りの支えが必要です。オポチュニティ自体は見えているが、それをつかめない子どもたちに、1人ではないからできるよ、ということを伝えていくことです。回りで支えてくれる人が増えれば、広がって行くと思います。
石戸:仁禮さんたちの世代が、次の小学生の世代にオポチュニティを提供しているわけですね。笹本さん、いかがですか。
笹本:ツイッターの場合、全世界で使われているサービスなので、アイデアを世界に発信していくという意味では、非常に大きな機会を提供していると思います。一方で個々に置き換えて考えてみると、オポチュニティは、誰にでも与えられているもので、問題はその次に行動ができるかという勇気が求められると思います。
石戸:オポチュニティをうまく使うために、どうすればいいでしょうか。具体的なアイデアがあれば、お聞かせください。
西口:問題意識を持つことです。オポチュニティを見つけた人の考え方は不完全です。それを前向きに加速支援する人がもっと増えるといいですね。発見しようとする人、それを実現しようとする人がいることが大事ですが、加点主義で何とか実現するように支えたいです。
石戸:意識の問題では、教育がはたす役割は大きいと思いますが、仁禮さん、小さいときにそういう意識づけをしていくと、子どもたちは変わってきますか。
仁禮:子どもたちは組織の中にガチガチになっているわけではないので、自分たちの勇気や感情、心持ちというところで、オポチュニティを使えるか、使えないかが決まってきます。子どもたちに関しては、家族がいかに子どもたちを尊重してくれるかです。どうしたいか子どもの意見を聞いてくれる対応が、子どもには大事なのだと思います。
石戸:家族でどういう声がけをしていくかによって、子どもたちの社会に対するスタンスは、変わっていくのかと思います。
笹本さんは、海外と比較してオポチュニティという観点で何かありますか。
笹本:海外と日本はここが根本的に異なっているところなので、この部分がもう少し、いいところを受け入れて、日本のよさを生かしていくことで、日本なりのオポチュニティを膨らませられるようなことができるのではないかと感じています。
石戸:最後に皆さまから、未来の世代に対して何を残していきたいのか。感想に変えてひと言ずつお願いします。
西口:探索と実験の中には失敗や無駄を恐れず続けることです。そこから学びべば、それを続けていい。それを繰り返していくことがとても日本にとって大事です。日本が変化していくことを、未来の世代の方々とも一緒に試しながら、実現していきたい強く思いました。
仁禮:彼らが私の立場になったとき、自分が楽しいから続けられる社会が必要だなと思います。自分の価値観と人の価値観がマッチしていくことで、生み出すというものが、このあとも続いていくことを私は強く願うし、次の子どもたちにも必要だなと思います。
笹本:これからはものづくりだけではなく、サービスの部分においても、日本から海外に発信していけるグローバルな世代に託していきたいと思います。常にチャンスは自分でつくっていくものなので、あとはそれをつぶさないようにする環境が整っていけば、非常に明るい未来が、この次世代に託されていくのではないかと思うので、微力ながらお手伝いできればと思っています。
石戸:どうもありがとうございました。小宮山先生が「課題先進国から課題解決先進国へ」とおっしゃっていますが、このセッションがそれに向けたヒントになり、二子玉川が世界に誇るクリエイティブシティに発展してほしいなと願いつつ、このセッションを終了とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
<基調講演>
休憩をはさんで、 カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社代表取締役社長兼CEOの増田宗昭氏からカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の4つのコンテンツ、「会社紹介」、「イノベーションの具体的な事例」「CCCが考える時代認識」、「2020年に向けて」について語っていただきました。
増田宗昭氏(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社代表取締役社長兼CEO)
「東京はクリエイティブ・シティになる」
<記事準備中>
<閉会宣言>
小宮山 宏(クリエイティブ・シティ・コンソーシアム会長)
皆さん、いかがでしたか。これだけ面白いシンポジウムを開催できたことは、本当にうれしい限りです。
「グッドライフ、オポチュニティ、ディバース」頭を取ると「GOD」です。今回はその中で「オポチュニティ(機会)」に焦点を絞りました。
渋谷、二子玉川、自由が丘、これを「プラチナトライアングル」と呼んでいますが、世界で最も豊かでアグレッシブな、クリエイティブな人たちが生きている場所。ここにオポチュニティがあるのだと思います。
そこに必要なのは才能ですが、本日は本当に才能ある人たちがあふれているということを感じました。
明治以来、産業を振興して生活を向上させるというモデルで進んできましたが、今は逆に、生活をよくするために新しいビジネスが生まれます。
キーワードは、私たちが自由になったと思えるかどうかではないでしょうか。
人口問題、エネルギー問題等をマイナス思考ではなく、自由に次のライフを設計できる人が、新しい社会をつくっていくのだと思います。
次の段階は「つくる」。クリエイティブ・シティをこのトライアングルの中に「つくる」ため、次のフェーズに行きましょう。