【5月24日】 ブレスポ 第3回「R65 あなたは65歳でRetireか、それとも65歳からRecruitか? -ミドル世代から考えるセカンドライフ-」を開催しました。
5月24日(土)13時半より二子玉川カタリストBAでクリエイティブ・シティ・コンソーシアム主催のビジネスアイデアセッション「ブレスポ」を開催しました。ブレスポの趣旨は、参加者が情熱をもってチャレンジングな課題に取り組み、バックグラウンドの異なる人とオープンマインドでアイデアをぶつけ合いイノベーティブなアウトプットを生み出すことです。
現在、65歳以上の高齢者が日本の総人口に占める割合は24.1%(※1)を超えました。実に4人に一人が65歳以上です。しかし、団塊世代を中心にアクティブシニアと呼ばれる層の精力的な社会参加の姿勢は、これからのシニア層の生き方に様々な可能性があることを感じさせます。Retire「引退」以外の選択肢 -例えば、起業や再就職などビジネスの世界に再度身を置くこともあれば、社会のために地域活動に身を投じることもあるでしょう。それでは、自分らしく幸せなR65を過ごすためには今から何を考え備えるべきでしょうか?
マーケティングプロデューサーであり世代分析・研究に造詣が深い(株)東京辻中経営研究所代表取締役の辻中俊樹氏、シニア世代向け起業アドバイザーで銀座セカンドライフ㈱代表取締役の片桐実央氏、有用な企業内人材の活性化から大企業でもイノベーションは起こる、と提言するJapan Innovation Network専務理事の西口尚宏氏をゲストに迎え、R65を様々な角度から捉え、熱い議論が展開されました。
※1:総務省推計(2012年10月時点)より
■開催概要
イベント名:ブレスポ 第3回 「R65 あなたは65歳でRetireか、それとも65歳からRecruitか? -ミドル世代から考えるセカンドライフ-」
日時:2014年5月24日(土) 13:30~17:30
場所:クリエイティブ・シティ・コンソーシアム
進行:礪波清一氏(東海大学)
参加者:31名
【0】東海大学 地域コーディネーター 礪波清一氏
今回のファシリテーターである礪波氏は大学を地域のセンターと位置付けて、地域との連携を図りつつ、街の活性化をコーディネートするミッションを担い日々全国を飛び回っておられます。
経験や知見にユーモアを織り交ぜた絶妙な進行で、会場を一つにし盛り上げていただきました。
【1】株式会社 東京辻中経営研究所 代表取締役 辻中俊樹氏
まず最初は、辻中氏より、「団塊世代を中心としたアクティブシニアの全般的な動向」と題したプレゼンテーションが行われました。65歳になると一体何が変わるのか、というテーマに直結する問い掛けからスタート。絶対的に変わるのは「生活動線」と「運行リズム」という興味深いキーワードに参加者一同惹きこまれていきました。行動範囲・パターンの生活動線と時間の感覚・使い方の運行リズムは、現役世代では仕事などによって規律(義務と責任)に縛られますが、R65はそこから解放され自由になります。しかし、規律を失うということは自分で意識的に行動し判断しなければ、孤立や何をすべきか分からなくなってしまう状況を招く、と辻中氏。大切なことは、シニア世代でも知らないことが山ほどある、ということに気付くことであり、自分の知らない世界に関心を持ち続け、チャレンジすることである、と熱く語られました。
【2】銀座セカンドライフ株式会社 代表取締役 片桐実央氏
続いて、片桐氏からは、「経験を活かしてスムーズな起業を実現しよう」と題してプレゼンテーションいただきました。祖母の介護をきっかけに、一生を通じて生きがいを感じる生活の実現を支援したいと、シニア起業支援事業を開始されたとご紹介いただきました。
シニアの起業目的は、ソーシャルなつながりを求めたり、仲間づくり・居場所づくり、という特徴があります。片桐氏はシニアが起業するにあたって、ゆる企業の5原則(楽しい、生き甲斐、得意分野、ローリスクローリターン、健康)を提唱され、若い人の起業(IPO狙い)とは異なり、シニア自身が楽しく、身の丈にあった起業をすることの重要性を説かれました。その他、起業へのプロセスや起業までに準備すべきこと等、より実践的なノウハウまでご紹介いただきました。
【3】一般社団法人Japan Innovation Network 専務理事 西口尚宏氏
最後に西口氏より「加速支援者という生き方」と題してプレゼンテーションいただきました。そもそも日本の大企業でイノベーションが興りにくいのは、事業創造ステージ(海外はここにシフト済み)と事業立ち上げ発展ステージ(日本は未だにここメイン)を体系的に教育する仕組みがないことであると課題提起いただきました。また、大企業には新しいものを潰そうとする力学が働きやすく個人に頼ったイノベーションには限界があるため、イノベ―ターを応援する仕組み(社内エコシステム5要素:経営者、事業創造人材・チーム、加速支援者、社内プロセス、社内インフラ)が必要と西口氏。注目すべきはイノベーターを支援する存在となる加速支援者です。加速支援者は経営資源の掛け合わせを提案し事業創造ステージを活性化するなど、イノベーションには欠かせない存在であることを熱くご説明いただきました。
【4】アイデアワークショップ&「プラチナブレイン」発表
参加者が主役となるアイデアセッションでは、参加者はテーブルごとに6チームに分かれ、それぞれが「課題解決のための新たなビジネス提案」のテーマで、以下の①~③の工程にそって多様なアイデアを出していきました。
①日本社会、地域社会の課題を抽出、絞込み
②その対策をビジネス目線で提案
③ビジネスポスターを作成
各チームとも短時間のうちに硬軟織り交ぜて様々なアイデアを集約し、発表しました。
最後に最優秀賞「プラチナブレイン」として、グループの表彰と賞品授与が行われ、盛況の内に終了となりました。
【5】懇親会
参加者相互がアイデアワークショップの感想を含めた歓談や、日ごろのビジネス関心事の情報交換など活発な交流が行われ、盛況のうちに閉会となりました。
(次回ブレスポの日程はコンソーシアムHP https://creative-city.jp/ でお知らせします。)