「ロンドンを事例とした2020年以降のポストオリンピック・パラリンピックに向けた街づくり」
【2月1日】クリエイティブミーティング
千葉大学大学院教授 村木美貴先生セミナー
~「ロンドンを事例とした2020年以降のポストオリンピック・パラリンピックに向けた街づくり」~ を開催しました。
2月1日(月)17:00~渋谷ヒカリエ8/COURTにて、2015年度クリエイティブミーティングを開催しました。
今回のクリエイティブミーティングは2部構成、前半はワーキンググループ活動報告会を、後半は千葉大学大学院教授村木美貴先生をお迎えして、ポストオリンピック・パラリンピックに向けた街づくりについてお話をいただきました。
80人以上の皆様がご参加くださいましたこと、御礼申し上げます。
17:00~ 開会
幹事会社からご挨拶 大日本印刷 亀田様
大日本印刷ソーシャルイノベーション研究所 所長 亀田様から開会のご挨拶をいただきました。
今日ミーティングは、次のステージを目指して、アクティビティな議論ができるミーティングに致しましょう!
<ワーキンググループ活動報告会>
フューチャーワークWG コクヨ 齋藤様
フューチャーワークWGは発足時からあったワーキング、「働く環境」の実験を5年間継続してきました。
「働き方」はこの1年で大きな進化があり、10年後は、ワークプレイス・ワークスペースは残るものの、オフィスがなくなる時代になるのでは?と思います。その時に、オープンイノベーション2.0、コラボレイティブエコノミーなどの新しい働き方が出てくるはずです。
フューチャーワークWGでは、昨年秋からリビングラボ(リビングラボ:市民参加でイノベーションを興していく活動。世界で約370のリビングラボの活動がある。)の研究を進めており、コクヨ×東急電鉄で、デンマークの現地邦人に委託して、コペンハーゲンIT大学にて情報収集を行っています。IT大学で半年かけて調査・収集した結果を、今年3月~4月に公開シンポジウムとして発表する予定です。
今後も、公民連携・市民参加など、新しいイノベーションモデルを提案していきたいと考えています。
位置情報サービスWG 慶應義塾大学大学院SDM准教授 神武先生
位置情報サービスWGも、フューチャーワークWG同様、2011年から5年間活動をしてきました。
二子玉川でいろいろな取り組みをし、その成果を各所で展開しています。例えば、国土交通省の、東京駅の駅中や駅の周りをもっと価値のあるものにしようという取り組みに取り入れたのもその一例です。
人やモノの位置情報は、街の営みを観察するうえで非常に重要な要素で、これからは更にそれら情報が有効活用されていくと考えていますし、普段の生活に非常に密接に関りのあるものですので、今までは一部のWGのみと関わってきましたが、今後は全てのWGと横断的に関わっていけたらと思います。
昨年は、オープンデータを使って地域課題を解決するという国土交通省の取り組みアイデアソン(アイディアマラソン)・ハッカソン(ハッキングマラソン)・マーケソン(マーケティングマラソン)を、半年かけて川崎市宮前区を対象に行いました。また、文部科学省の事業で、大学が中心となり、衛星のデータやSNSのデータなど様々なデータを使って、新しいサービスをつくろうというプログラムも動いています。
今後の取り組みは、ロンドンダッシューボード(ロンドンのデータをとれるだけ取って可視化する)と同様のことを二子玉川・渋谷でも行いたいと思っており、地域の皆さんがデータを可視化することにより、街の特徴を認識し、それにより対話が生まれ、新しいムーブメントにつながる、といったような、位置情報を軸にした新しいムーブメントに興したいと考えています。
ソーシャルシェアリングWG 大日本印刷 大湯様
ソーシャルシェアリングWGは、地域住民を中心にヒトとヒトが"共感"でつながる安心できるコミュニティをベースに、「各個人が持っている余剰資産(モノ・スキルなど)をお互いに持ち寄り、利用することで新しいライフスタイルやコミュニケーションができるのではないかという考えのもと、2014年に活動をスタートしました。
二子玉川での取り組みは、ママをテーマに、二子玉川のママ達が今どんな課題を抱えているのか、30人のママ達にヒアリングまたはワークショップを通してフィールドリサーチを行い、課題抽出をしました。そして、各ステークホルダーの皆さんに参加していただき、課題の深堀を行いました。
昨年は、子育てや女性の働き方・暮らし方について考えていくイベント「Think,Life,Share(シンク、ライフ、シェア)」を、二子玉川で開催しました。
イベントで120人にアンケートととった結果、ほとんどの人がシェアを経験していないことがわかり、シェアを体験したいという意見も多くあったことから、2016年度はサービスを広める試み、または勉強会を行っていきたいと考えています。
デジタルシティWG 楽天エディ 宮沢様
して魅力ある便利な「デジタルシティ」へ変化すること、二子玉川を先進的な街にすることを目的にスタートしました。
取り組みは4つ
1.キャッシュレス決済環境
2.フリーWi-Fi通信環境
3.来店促進サービス
4.官民のオープンデータ利活用
本日は、3の「来店促進サービス」について話を致します。
最初の取り組みとして、位置情報を用いて、お店の近くに来ている方達にお店のお得な情報やクーポンを配信するという実証実験を行うため、GPSおよびビーコンなど電波発生の器機を店舗に設置し、屋内でも位置情報がわかるようにしました。また、アプリケーションを開発し、昨年7月の店長会で概要説明を行い、各店舗の協力を得て、10月には205店舗のお店にビーコンを設置し、11月9日から12月14日の間トライアルを行いました。結果は、即時クーポンと予約クーポンの2タイプで同じ商品の10%オフのクーポンを配信したところ、即時クーポンの利用の方が圧倒的(予約クーポンの41倍)で、また、1,000円くらいの商品に対する反応がよいことがわかりました。これら実証実験のデータを基に、今後の商用化を検討していく予定です。
QUOMOプロジェクト 東急電鉄 福島様
「"QUOLITY-OF-LIFE MOVING-MOBILITY"」
乗り物の感動体験を通じて生活価値を向上させていこうというく試みで、具体的には二子玉川でのセグウェイ実走の実現を目指しており、本年4月に二子玉川でサービス開始を予定しています。
街づくりをしていく中で、交通は重要なテーマ、その中で、現在は道交法の関係で使えないセグウェイをどう使っていくかは重要な取り組みだと考えています。「クリエイティブシティ」と呼ばれる世界の街で、セグウェイを使えない街はなく、セグウェイツアーは一般的に行われています。つまりは、「クリエイティブシティ」と呼ばれる街では、セグウェイなどの新しい乗り物や自分たちの街の道路の使い方についての議論が既に始まっているということで、本ワーキングプログラムは、二子玉川でセグウェイをどのように取り入れていけるかを検討するワーキングとして立ち上げました。経済産業省の規制緩和のプログラムを使い、昨年3月に規制緩和の申請を行い、現在は運用ルール等々を警察庁警視庁を含め詰めているところで、4月には二子玉川の公園や河川敷でセグウェイツアーを実現できる見込みです。
この取り組みを通して、『心がわくわくするような体験』を提供していきたいと考えています。
感性分析Labプロジェクト 夏目綜合研究所 菊池様
感性分析プロジェクトは、2年前までは「二子プロジェクト」と称して、二子玉川の主婦層の感性を分析していましたが、その後「人間の反応をどう数値化するか」というテーマにプロジェクトを拡大しています。
昨年はセミナーを3回行いました。
第3回感性分析Labセミナーを2015年4月17日に開催
非接触型による情感計測(視線・瞳孔反応・表情反応)と接触型による脳波計測を同時に実施
脳波の反応、瞳孔反応、表情反応から解析できることに相関関係があることが明らかに。
第4回感性分析Labセミナーを2015年6月5日に開催
特別講師として、安田浩氏(東京大学名誉教授)と原島博氏(東京大学名誉教授)を招き、情感解析と脳波解析のコラボによる世界初の番組の視聴質分析を実施
視聴率ではなく視聴の質はどうなのかという実験分析。
第5回感性分析Labセミナーを2015年10月1日に開催。
視聴率研究コンソーシアムと映像情報メディア学会と共催して、実験計測と解説を行う。
特別講師として、NHK放送技術研究所 澤畠康仁氏の講演『fMRIを使った映像視聴中の脳活動解析に関する研究成果』と成果発表。
昨年はセミナー中心でしたが、今年はセミナーに加え、新しい事業モデルを作るべく、GMOリサーチと協議検討を継続しています。「感性分析」はどの企業でも使える必要な技術です。
かわらマッピングプロジェクト 東急電鉄 白鳥氏(せたがや水辺デザインネットワーク 中西様代理)
かわらマッピングプロジェクトは、本年1月始動した新プロジェクトです。
二子玉川の最大の資産であり街最大の公共空間である多摩川で、いろんな活動の芽が生まれていますが、河川敷の情報は町場の空間と異なり、十分な地理情報が整備されていないことから、その必要性を考え、いろいろな街づくり活動をしている人達が集まり、多摩川の河川敷の公共空間の利活用、ITの力を支えるための基盤となる地理情報ベースを作ることを目的に、活動がスタートしました。
活動内容としては、二子玉川の自然環境を一元的に管理し、地図情報の上に河川管理者さんからの提供情報や環境省の植生、動物の体型のデータを載せながら、時には河川敷の探索や写真撮影を行い、それらを合わせてデータベース化していくものです。