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イベント

2012425日、クリエイティブ・シティ・コンソーシアムで2011年度に行なわれた位置情報関連の活動を総括し、2012年度の発展的な取組みに繋げるセッションとして、G空間PJと位置情報サービスWGの共催にて、ロケーション・クルーズ・セッションが開催されました。会では、2012328日まで行なわれた経済産業省補助事業(産業技術実用化開発事業費補助金(次世代高信頼・省エネ型IT基盤技術開発・実証事業))を中心に2011年度に執り行われた各種取組みが報告されるとともに、位置情報関連分野のトップランナーの方や最新技術ソリューションの開発者による講演、パネルディスカッションが実施され、関連事業者の相互交流がはかられました。

 

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開催日時 : 2012425日 14:0018:30

開催場所 : 二子玉川ライズ・オフィス8F カタリストBA

参加者数 : 83

 

 

 

1.はじめに

開会に先立ち、クリエイティブ・シティ・コンソーシアムを代表して東京急行電鉄株式会社 都市開発事業本部 事業統括部 企画開発部 部長 東浦 亮典氏より頂いたご挨拶では、二子玉川に集結する位置情報関連の新しい取組みに対する期待が語られました。

ロケクル2.jpgまた、本会のオーガナイザーであり、G空間PJメンバー、位置情報サービスWGリーダーの慶應義塾大学大学院SDM研究科 神武准教授からは、2011年のグッドデザイン大賞を受賞した本田技研の通行実績情報マップ等が事例として提示され、技術だけでなく、利用者のライフスタイルの中で、どのような位置情報サービスがあるといいか、といった「ユーザー目線での検討」を深める契機となる会となれば、というコメントが寄せられました。

 

 

 

2.基調講演 Georepublic Japan 浩之氏

 続く基調講演では、ジオメディアサミット主催者、オープンストリートマップ活動への参加、NASAAPIを活用するハッカソンイベントの開催など、ジオ関連・位置情報関連で先端的な活動に取り組まれるGeorepublic Japan 浩之氏より「ジオメディアと地域活動」について、講演を頂きました。

 

(ご講演内容)

  • 2008年に参加者数十人のボランティアベースの勉強会から始まったジオメディアサミットは、現在では年2300名程度が参加する業界最大規模のカンファレンスになっており、東京以外の各地域でも開催されるイベントとなってきている。(「ジオメディア」という語は、そもそも「ジオグラフィカル」+「メディアサービス」の造語として語られ始めたものである。)
  • ロケクル3.jpgジオメディアが急速に社会のなかで認知を広げた背景には、スマートフォンの普及がある。スマートフォンの普及の過程で、Foursquareなど海外の事例が日本に流れてきた結果、「チェックイン」行動など、急速にジオメディアが意識されるようになった。また、ここで重要だと感じるのは、ジオメディアはソーシャルメディアとの親和性が非常に高い、ということで、大きく普及するジオメディアの殆どは、ソーシャルメディアと連動するものである、ということが言えると思う。人間関係のリンクを反映するソーシャルグラフに、位置情報が加わることで、「場所」と「ユーザー」の関係を反映することで、サービスを構成している。最近では『O2O』(オンライン トゥ オフライン)という言葉がバズワードとして注視されている。一昔前ではクリックアンドモルタルなどと呼ばれていたが、それをさらに発展させた概念となっている。
  • 2011311日に発生した震災に関連して、様々なジオメディアが復興等で活用されている。Yahoo!やgoogleでは復興・救命・震災支援関連の情報を掲載する地図ページのPVが急増。その他、ホンダ、防災科学研究所ALL311など、地図上に各種情報をマッシュアップする取組みが非常に効果的に展開された。
  • 個人ベースでの活動も活発に行なわれており、福島原発の放射能問題に関連し、風向き情報を地図にマッピングし表示するアプリケーションなどが、個人エンジニアの取組みとして制作されたりしている事例もある。
  • 注目される取組みとして、オープンストリートマップの取組みがある。これは、wiki的手法でマップデータを作っていくもので、通常WEB等で提供される地図サービスは自由に書き換えができないものが普通だが、オープンストリートマップは「参加者の手で作っていく地図情報サービス」である。被災地でも現地の方とともにGPSロガーを持って測位しながら地図を作る活動をしているが、場所が共有されづらい仮設店舗の位置や、最新の道路の開通情報などを仕入れて落とし込むことができる地図として、被災地現地の生活に役立っている。
  • また、復興支援プラットフォームとして「shinsai.info」という、震災に関するレポートを地図上に落とし込む活動を実施している。主にツイッターから収集した情報を、ボランティアによる手作業にて、「位置」という切り口で再編集して地図に落としこんでいく活動をしている。(twitter上ではデマ情報などが流れることもあるが、これらを選別して地図への落とし込みを行なっている。なお、このプラットフォームは、実は『Ushahidi』というケニア発のオープンソースのプラットフォームを利用している。『Ushahidi』はケニアの暴動等の発生状況を地理的に表現する目的で開発され、その後ハイチ地震での復興支援をはじめ、世界中で多くの仕組に活用されるようになったものである。
  • ニューヨークで展開されている『COMMONS』は、ユーザーが街で見かけた「課題」(ここにいつも違法駐車があるよ、とか、ここでゴミが散乱しているよ、など)を投稿し、解決にむけたアイデアを考えていくもので、ゲーム感覚をいれつつ、街の課題に対してソーシャルなアプローチで解決を模索する取組みとなっている。『LOCALOCRACY』のように地域ジャーナリストがニュースを作っていくやり方もある。国内での事例としては、川崎市にて、街歩きワークショップを通じて発見された気づきをiPadで地図にプロットしていく『みんなのコモンズ』をGeorepublicで運営している。川崎市で市議会議員の方等とワークショップを開催している。

 

 

 

3.クリエイティブ・シティ・コンソーシアムの2011年度取組報告

 クリエイティブ・シティ・コンソーシアムの2011年度の取組みの報告として、東京急行電鉄 福島氏・国際航業 田端氏からG空間プロジェクトの取組みが、財団法人日本宇宙フォーラム 常務理事/IMESコンソーシアム事務局長 吉冨氏より、位置情報サービスWGの取組み報告がなされました。また、今年に入りコンソーシアム内に組成されたスマートモビリティWGの活動について、三菱総合研究所 福田氏より報告がされました。

 

(1)G空間PJ取組み報告(東急電鉄・国際航業・国立情報学研究所)

  • インターネットで家に居ながらにして多くの情報に触れることができてしまうが、位置情報をプラスすることによって人の動きにつながる情報の出し方ができるのではないかと感じている。サービス検討にあたっては、誰もが参加しやすい仕掛け作りを進めるということで、プラットフォームの構築を進めつつ、街としてのサービス実施の経験値をつんでいくことが必要だと考え、事業の検討を進めた。
  • プラットフォームでは、各アプリ構築に共通して必要となるものを集約して提供することで、アプリ構築者の参入障壁を下げることを考えた。屋内測位インフラの整備、屋内マップの作成、共通のコンテンツ作成を進めた。測位インフラ整備としては、二子玉川の街ナカに、QRコードを280枚配布。また二子玉川ライズではWiFiによる屋内測位技術の整備。
  • 構築したPFの上に東急電鉄の「ニコトコ:回遊支援」、慶應義塾大学の「aitetter:屋内混雑度共有」、国際航業の「ぶらサポ:商業施設サポート」の3つのアプリを展開した。
  • ニコトコの結果:二子玉川の街で店舗情報登録1727店舗、QRコード設置280箇所59のクーポン、登録ユーザー3704人(ユーザーは64で女性)、スポットチェックイン19,000回程度、クーポン閲覧は15,000回程度。iPhoneユーザーになると、73で男性が多いという結果が出ている。
  • サービスの振り返りとして、以下の4点がトピックとして上がった。一つ目のトピックとしては、プラットフォームに関する評価振り返り。プラットフォームの構築・提供によって、開発コストの3割以上の削減、情報品質の担保にも寄与する仕組が構築できたことは良かった。また、防災・安心安全に関する情報配信に力を発揮することも期待された。一方課題としては異種測位の統合、APIの対応範囲検討、現場での運用ルールの構築などが課題として残ったと認識。
  • 二つ目のトピックは、グローバルなITサービスとローカルで展開するサービスの違いや特徴を理解し、活用していくことの重要性について。ローカルである分、リアル空間と連動した仕掛け、盛り上がり醸成がしやすい、エンドユーザーとの接点がある、店舗などの運営者との協業の可能性も高まる、などの利点があるはずで、そのあたりをいかに訴求できるか、が重要だと感じた。
  • 三つ目のトピックとして、位置情報データのマーケティング活用について。(国立情報学研究所 相原准教授から説明がなされた。)今回のG空間プロジェクトでは利用者の行動ログを集積しており、それらのマーケティング活用は、非常に可能性のある分野であると考えている。例えば、マクロ視点ではユーザーの行動解析により店舗の傾向値分類などを行なうことができる可能性、ミクロ視点ではユーザー個人の動きをトラッキングしてモデルケースを導くことができる可能性、などが想定された。
  • 最後のトピックとしては、防災・安全安心のための利活用の可能性が上げられた。ユーザーのモバイル端末にとどまらず、二子玉川ライズの大型サイネージなど含めて、広域避難地図掲示、非常時用のフロアマップの提供、行政の防災情報やマニュアルの配信を行なったが、非常に有用なインフラとして展開できる可能性を感じつつ、非常時電源供給など、検討を深めるべき余地を感じている。
  • 今後のG空間プロジェクトの動きとしては、LBSプラットフォームでは、IMESアプリキャンペーンとの協働など通じた継続展開を、アプリケーションでは、ニコトコは3月末で現行サービスをいったんクローズし、今後のスポット的な利用にむけアップグレードを検討、aitetter・ぶらサポは継続展開を進める。

 

(2)位置情報サービスWG取組み報告(日本宇宙フォーラム)

  • ロケクル4.jpgJAXAが推進している準天頂衛星プロジェクトでの屋外測位システムの発展として、屋内での測位規格としての『IMES』が生まれ、現在活動している。IMESは既存のGPSのみで低コストで屋内のナビゲーションを行えるところが魅力。
  • 2011年末から、IMESを用いたアプリの制作公募を行っているが、現在までのところ40以上のアプリ制作応募が集まっている。各社にて現在開発が進められているところであり、今後二子玉川での実証ができるように考えている。
  • IMES送信機では、災害時の電源喪失を考え、要所要所で内蔵電源を保有したスタンドアロンでも稼動するセンサーを用意することも併せて検討している。

 

(3)スマートモビリティWGの今後の取組み(三菱総合研究所)

  • 現在様々なメーカーにて、パーソナルモビリティの展開検討が進められている。パーソナルモビリティを街で安全に走らせたり、あるいはシェアサービスとして利用者に提供することを考えると、位置情報の取り組みとの連動が不可欠であると考えている。
  • これらの仕組を支えるインフラとして、『IT融合』というキーワードが出てきている。各種の測位インフラやセンサー情報などを統合する「都市OS」を整備し、それをもとにさまざまなアプリケーションに展開することが構想されている。モビリティもそのアプリケーションの一つであると考えられる。

 

 

 

4.先端技術プレゼンテーション

 次に、位置情報サービスと関連する「最先端の技術」の紹介として、カディンチェ株式会社、株式会社アイリッジ、株式会社KDDI研究所、株式会社夏目綜合研究所の4社からのプレゼンテーションが行なわれました。4社による先端技術プレゼンテーションは、位置情報の測位技術や地図情報と連動し、新しいサービスへの展開が見込めそうな内容として、来場者の注目を集めました。

 

(1)屋内パノラママップ「パノプラザ」(カディンチェ株式会社 代表取締役社長 青木崇行氏)ロケクル5.jpg

  • カディンチェでは、現在「2.5次元」で展開されているサービスの3次元化を念頭において、空間の3次元モデリングなどの研究を進めてきている。サービスとして展開している「パノプラザ」では、屋内で撮影された写真を合成しgoogleストリートビューの屋内版のような定点の360度パノラマ画像を提供。これにより、商品情報等をマッシュアップすることも可能であり、大丸東京店では「バーチャルスイーツショップ」が展開されている。二子玉川ライズS.C.や、渋谷ヒカリエ(スイッチルーム)でもパノラマ画像の撮影を行なっている。
  • 空間位置情報の可能性について、「人の位置情報」だけでなく、「モノの位置情報」を組み合わせていくことに、ひとつの可能性があると考えている。

 

(2)位置連動push情報配信「popinfo」(株式会社アイリッジ 代表取締役 小田健太郎氏)

  • アイリッジ社を立ち上げ、iコンシェル関連サービスの立ち上げを実施。現在は、スマートフォン向けの位置に連動した情報pushサービス「popinfo」を中心に展開している。「popinfo」では自動GPS機能を用い、ユーザーにpushで確実に情報を届けるソリューション。待ち受け画面上にメッセージ表示することが可能であり、サイト遷移の頻度は通常メルマガの30倍という結果がでている。
  • 位置連動プッシュ通知は、位置情報×属性などと時間を組み合わせて、その時必要な人に情報を届けるという使い方が有効。店舗への集客利用が多いが、少し変わった利用方法としては、この仕組を活用いただいて、事故が多い場所に差し掛かったユーザーに対して、注意喚起のメッセージを送信するサービスの提供をしている会社もある。
  • また、googleアナリティクスのように、実店舗でのユーザーの行動分析ができるように地図を切り口とした分析機能へも展開中で、PDCAをまわせるO2Oソリューションとして提供している。

 

(3)位置情報匿名化技術について(株式会社KDDI研究所 主任研究員 清本晋作氏)

  • プライバシの保護はセキュリティと同等に重要、と考えており、プライバシ保護の仕組に関する技術研究を進めている。匿名化・追跡不可能化・開示制御などによる、プライバシ保護の考え方がある。例えばBluetoothなども近接通信として理解されているが、bluetooth信号から個人を追跡することが可能であり、通常はOFFにしておくことが望ましい、などがトレーサビリティの観点からは論じられているような例もある。
  • 位置情報の匿名性を確保するためには、複数の人間の情報に埋もれさせる(例えば、正確な情報から大雑把な情報に変換する(半径××mの範囲に変える))、ランダムなノイズを加え正確な位置がわからないようにする(ダミー情報を混ぜる)、など、いくつかの方法がある。
  • 位置情報の取得によるプライバシ保護と、サービスの魅力のバランスが重要。ただし、一度「プライバシ侵害」のレッテルを貼られると挽回は困難であり、慎重な対処が求められる。判り易い説明や、適切な知識による最適な設計が必要。

 

(4)感性判定システムについて(株式会社夏目綜合研究所 所長 菊池光一氏)

  • 「感性判定システム」は人の反応を目の動きによる「どこにどれだけ注目したか」を分析する情動反応の解析と、顔の表情変化から喜び、悲しみ、驚き、恐怖、怒り、嫌悪の感情反応の解析を組み合わせており、様々なビジネスにおいて活用の引き合いを頂いている。

 

 

 

 

5.街づくりの視点からのIT活用について

 パネルディスカッションに入る前の情報提供として、G空間PJ等における店舗運営者側のヒアリング情報が、リアルの運営現場からの観点のコメントとして提示されました。

  • 来館者のスマートフォン保有状況、G空間の取り組みに対する外部視察等からも、社会的に注目度の高い分野として、前向きに取り組むべき分野である
  • 一方、「手に馴染んで使える」までのハードルはまだまだ高い認識。登録負荷や、クーポンエビデンスの問題、現場スタッフを含めた日常化、通常の販促施策のスケジュールや展開負荷との兼ね合いも重要な観点。
  • 今回の取り組みを機にTwitter等は積極的に展開された。今後はこのtwitterの展開を、来場や購買にいかに結びつけるかが重要。
  • モバイル端末等の検討も必要ではあるが、より実践的な展開としては「かざすだけ」で展開できる交通系ICカードのタッチ端末等も有効な取り組みと認識している。二子玉川ライズS.C.では「乗ってタッチクーポンキャンペーン」などの取り組みが一定の反響を得ている。(クリエイティブ・シティ・コンソーシアムでもタッチコミュニティWGで交通系ICカード活用の議論が進められているが、ユーザビリティの観点から実用性の高いソリューションであると期待される。)

 

 

6.パネルディスカッション

 最後に、今までのプレゼンテーションの内容を踏まえて、以下の登壇者によるパネルディスカッションが行なわれました。パネルディスカッションでは、今後位置情報サービスがより発展していくための課題や可能性について、会場からの質疑を交えつつ議論が進められました。

 

ロケクル6.jpg(登壇者)

■ファシリテーター

慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科                 神武直彦氏

■パネラー

合同会社Georepublic Japan CEO                                                          関浩之氏

国際航業株式会社 GEOソリューション事業部                                       田端謙一氏

財団法人日本宇宙フォーラム 常務理事                                                  吉冨進氏

一般財団法人日本情報経済社会推進協会 電子情報利活用推進部              坂下哲也氏

東京急行電鉄株式会社 都市開発事業本部 事業統括部 企画開発部     白鳥奈緒美氏

 

(内容)

  • 神武氏「様々な事例が出てきているが、日本の位置情報サービスのビジネス的な成功における課題は?」
  • 関氏「アメリカではたとえばfoursquareなど、トラフィックの量に応じて広告料を取るようなモデルがあるが、日本では難しい部分が多い。」
  • 田端氏「当社は自治体関係のサービスが多いが、その経験でいけば、自治体の仕事を良くウォッチして日常の業務のコストダウンや効率化が図れるような提案ができればサービス導入の障壁が減るのでは。」
  • 吉富氏「まだビジネスとしての本格的な展開は無いが、二子玉川で実験が展開されて来客、売上に貢献できれば。送信機は廉価になってきているので、平時の商業利用と防災、公共利用への普及ができればと考えている。」
  • 坂下氏「ビジネスという観点だと、10年前は、ビジネス系雑誌で位置情報サービスの特集は無かったそれがここ数年、雑誌やテレビなどで特集が組まれるようになった。そのような状況を見ると、市場やチャンスは確実に広がっていると思う。地理空間情報を利用する事業層は薄く広がっていて、そこに載せるもの次第でビジネスチャンスがあるものになってきているのだと思う。」
  • 白鳥氏「ニコトコをやってショッピングセンターなどを見ていて、『女性とIT』の遠さを感じた。B2Cにいきなりではなく、B2Bでの管理業務への実績づくりなどを経てから消費者対象へシフトするのが良いのではないか。」
  • (会場からの質問)「ある程度の集積・密度がないとサービスとして発火しない。例えば渋谷で何かやっても気づかれにくいと思う。どの程度の集積・密度が必要か、という目途、感触についてどうお考えか。」
  • 関氏「明確なラインはわからないが、『目の前にいる人』だけを見ていてもだめで、その先誰に伝わっていくかまで考慮して、シェアしてアクションしてもらうコンテンツを用意できれば成功に近づくのでは。アメリカでは始まったサービスを販促などですぐ使ってみて、使ってみながらブラッシュアップする。」
  • 関氏「単純なトラフィックではなく、おもてなしなどの付加要素も必要。」
  • 田端氏「今回のニコトコの取り組みで東急電鉄が主体の施策でも高島屋が協力してくれたということに、複数事業者の連携、という点で成功の芽を感じた。それに加えて一つの街くらいの範囲で展開することが関係者の連携がとりやすいので良いのではないかと思った。」
  • 吉富氏「技術のことを中心に活動してきたが、コンソーシアム活動をするようになってみて、全く違った知見や考え方が勉強になっている。集積の目安などはわからないが、このことに価値があると思っている。」
  • 吉富氏「『シームレス』がキーワードなので、それを活かしていいきたい。」
  • (会場からの質疑)「ちょっとしたことでも、ユーザーの動きがわかりやすいものをもっと考えるべきでは?ユーザー体験をシンボリックにする工夫が求められているかと思う。」
  • 神武氏「G空間PJを始めるに当たり、『デザイン思考』を大事にしたが、時間その他の制約により実現しなかった部分がある。」
  • 関氏「既存で普及しているデバイスを使う、という制約がすでにある。目の前の仕事としては右手と左手の操作の違い、など細かい部分を考えている。」
  • 田端氏「10年前では考えられなかった使い方、というものが出始めていて、GISはプロ中のプロしか使わなかったかつての代物ではなくなっている。身近になってきたということはコラボレーションしやすいことなので、ユーザー体験をデザインするようなことができればよい。」
  • 吉富氏「IMESのサインポストは、ユーザーが気軽に使えることをイメージして製作した。自然に情報が入る場所や見え方が必要。」
  • 坂下氏「QRコードの話はビジネスで考える原価の基準の一つだと思う。ケータイのGPSは10年以上前の実証実験の時の機器が17万円だったが、今はチップは200円程度。街中でのデザインということでは、サービスが変わると約款が変わり、またユーザーが読む必要があり、それは面倒。特に、同じ空間の中だと余計に面倒で、それが広がりに制約をかけている一つの要因ではないか。『ゼロクリック』をどう実現するか、が大事。」
  • 白鳥氏「日々の動きの中にちょっとした変化を、という程度がいいと考えている。QRコードはユーザーが手を動かすものだが、測位技術の進化により、店側における管理システムが向上して、よりいいサービスが提供できる、というのがいいのではないか。」
  • 神武氏「国際展開について、日本が世界で戦えるポイントは?」
  • 関氏「『文化』がキーワード。カワイイなど。アジアでは日本文化が持て囃されている流れ。また、渋谷など密集地帯のサービスはアメリカには無いのでアジアでの応用が利きやすい。」 
  • 坂下氏「日本のLBSでは、面白法人KAYACのスマホ向け待ち合わせアプリなど中東で任期の高いものが出ている。いるようである。日本のサービスの創り方はとても丁寧なので、さまざまなアプリケーションに利用できるような『アプリケーションの部品にあたるところ』を標準化すればまだまだマーケットを取れるのではないか。」
  • 神武氏「二子玉川ならでは、という点ではどういう位置情報サービスが展開できるか?」
  • 田端氏「二子玉川は多摩川が目の前を流れていることがいいところ。自然を取り込んだ形のサービスができれば他とは違うアウトプットができるのではないか。」
  • 吉富氏「ショッピングセンターだけでなく、『シームレス』の利点を活かしてエリア全体での取り組みとしてマンションなども含めてやっていきたい。IMESの位置情報は国土地理院のコードを利用しているので、アプリケーションへの保証もできる。」
  • 白鳥氏「二子玉川をクリエイティブシティにするという目標を掲げているので、働く人、住む人がストレス少なくクリエイティビティを発揮する仕掛けを構築したい。街OSのように街に入るとチェックインされるようなものが理想。」

 

 

7.まとめ

 パネルディスカッション、及び会全体を振り返って、経済産業省 商務情報政策局 情報政策課 情報プロジェクト室 杉浦室長よりコメントを頂戴いたしました。杉浦室長からは、同省が進められる、高度情報通信ネットワーク社会の実現にむけた新たな情報通信技術戦略の取り組みについての説明と、二子玉川におけるG空間PJ分野の継続的な推進展開に対する期待のお言葉を頂きました。

 

8.懇親会

会終了後に行われた懇親会では、セッションの登壇者を中心に、今後の新しい位置情報サービスの展開を検討する各事業者にて交流・歓談が行われ、盛会のうちに終了しました。

 

以上